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木造の平屋に住む英則（浅野忠信）と奈々瀬（美波）。兄妹でもないのに奈々瀬は英則を「お兄ちゃん」と呼び、英則は奈々瀬にいつか復讐してやると、その方法をずっと考えながらふたりは同居し、英則は屋根裏から奈々瀬の行動を覗いていた。
その近所に引越してきた夫婦の番上（山田孝之）と妊娠中の妻・あずさ（小池栄子）。番上は可愛げで何をしても断れない性格の奈々瀬に近づく。あずさは奈々瀬と高校の同級生で、むかし奈々瀬から受けたひどい仕打ちを忘れずにいたところ、さらに自分の夫まで奪われてしまい。。。
→「乱暴と待機」オフィシャルサイト

「乱暴と待機」　映画予告

前作『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』に続く本谷有希子原作の映画。
やっぱり本谷有希子は只者じゃない、そう思わせるような内容で、その独特で異様な世界観はまるで媚薬のようにジワジワと観る者を蝕む魅力があります。
それをなんとも言葉ではうまく伝えきれないので、ぜひ見て感じてほしいと思います。

登場する4人はみんなどこかちょっと普通じゃない。
そんな普通じゃない4人が繰り広げる物語も、やっぱり普通じゃないのです。

英則（浅野忠信）は、奈々瀬（美波を自分の家に軟禁状態で囲い、いつかおまえに復讐してやると口癖のように言いながら、奈々瀬の行動を屋根裏から覗き見るちょっとアブナイ奴。
奈々瀬は、人に嫌われたくないという性格から、なんでもも断れずに受け入れてしまうという、人がよさそう思えて実はもしかすると一番やっかいな人物。まるで楽しみに待ち望んでいるかのように、毎晩、英則に自分への復讐の仕方が見つかったかを聞くヘンテコ娘。
そんな奈々瀬をほっとけなく、身体を求め始める単純でバカな男、番上（山田孝之）。
高校時代の因縁もあって、奈々瀬への憎しみが徐々に積もっていく番上の妻あずさ（小池栄子）。かわいそうになるくらい奈々瀬をイジメたおします。
いつしかこの4人は複雑に絡み合い、常識では図れないほうへと話が進んでいきます。

そして、とにかく、奈々瀬を演じた美波ちゃんがカワユイのです。
グレーの上下のスウェットにおさげにメガネルックで過ごし、いつもニコニコしているそんな姿にやられてしまうのです。男からはやたらと好かれるけど、女からは嫌われる典型の女性かもしれません。

本谷有希子の天才的な感性を見せつけられた、そんな作品であります。
前作『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』も合わせて見ると、きっとその異様な世界にハマってしまうはず。

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