
野上(西島秀俊)の父親は莫大な借金を残してこの世を去り、借金を返せるあてといえば祖父の持つボロアパートの土地だけだった。野上は祖父に土地売却の話をするが、祖父は何の反応も示さず困り果てる。
同じ会社で働く三崎(加瀬亮)は、理不尽なお客相手の仕事に嫌気が差し、突然会社を辞めて野上のアパートへ引っ越してきた。
フードコーディネーターの涼子(竹花梓)は、仕事が絶不調で自宅の更新料も払えず、結婚をしてどうにか乗り切ろうと結婚相談所に登録をする。そこで紹介されたのは借金まみれの野上だった。
何にも満たされず先行き不安の3人が、吸い寄せられるようにこのボロアパートに集まってくる。
しかし、そのアパートの2階の1室は空かずの間があり。。。
→「東南角部屋二階の女」オフィシャルサイト
「東南角部屋二階の女」って、まるで怪談にあるようなタイトルっぽいけど。。。でも全然違います。
ポラロイドで切りとったようなノスタルジックな映像が、ほのぼのとして平和で、なんかこう、暖かな日差しに包まれて目を細めるような微笑ましい映画です。
畳の部屋のボロアパートもなんかいいなって思えました。落ち着くというかね。
オシャレなマンションが当たり前の今、畳敷きのこんな部屋って、どんどん珍しくなっていくんだろうな。
そんなボロアパートでも、そこにはいろんな歴史や想いが詰まっていて。
それを大切にしている人もいて。
そんなことを知ってしまうと、どんなボロアパートでも愛らしく感じてしまう。
そういう感情って、大切だと思う。
その想いを受け継ぐ子や孫がどう感じるかで、歴史や伝統が途絶えるんだなって。
農家とか、お寺とかそうですよね。老舗の店がコンビニになってしまったりとか。
こんなお金にならんのやだとか、ダサいとか、そんなことで歴史が途絶えてしまう。
それはそれで時代の流れというのもあるし、受け継ぐ子や孫の人生もあるから、誰が悪いとか良いとかはないいんだけれど。
この映画でも、主人公の野上は自分が作ったわけでもない親の借金を抱えさせられて、それを打開するためにアパートを取り壊して土地を売って借金を返そうと思うことは当然のことだと思うし。
だけど、そのボロアパートはただ時を過ごしてボロくなったわけじゃなかった。
自分の実家も結構ボロい。とても古い。
だけれど、おじいちゃんやおばあちゃん、両親がそこでずっと住んできて、自分もそこで生まれて育った家で。
ただ単に古い家ではなくって、やっぱり想いや歴史がたくさん詰まった家。
それを考えると、宝くじ3億円が当たったとして、新しい家に簡単に建て直すことができるのかなぁとか考えてしまいました。
そんなことを考えさせてくれてしまう映画です。
「東南角部屋二階の女」映画予告編