津軽百年食堂

津軽百年食堂 森沢明夫

青森県弘前に、3世代に渡って引き継がれた津軽蕎麦を出す食堂があった。
4代目にあたる陽一は、見えない将来に不安を抱えながら東京でアルバイトの日々を過ごしていた。ある日、仕事先でプロカメラマンを目指す七海と出逢う。七海も陽一と弘前出身ということがわかり、ふたりを意気投合して惹かれあっていく。
そんな中、父が事故で足を折ったと姉から連絡を受け、陽一はひさしぶりに帰省する。家族や幼なじみたちに囲まれた暮らしの中で、故郷への思いが少しずつ変化していく。

百年の刻を超えて引き継がれた味。
この味をずっと守りたい、その思いが一本の糸となって時代を繋いでいく。
「継ぐ」という岐路に立たされたとき、何かを捨てる犠牲と覚悟にぶちあたる。
それを決意し、味とともに「誇り」も引き継がれる。
そこに生まれたドラマが、この小説にはぎっしりと詰まっています。

それにしても、森沢さんの文章は読みやすいですね。
あっというまに読了してしまいました。
青森ドロップキッカーズ」と同じような展開方法で、
それぞれの登場人物の目線で物語は進行していくので、
ストーリーがバラエティに富んでいて飽きないですね。

本屋で見たとき、タイトルにも惹かれましたが、
装丁に描かれたイラストがとても素敵で。。。
なんか暖かみというか、優しさというか、すごく伝わってきて。
本を読むと、この妊婦が誰で、おなかの子が誰だかわかります。

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